皮膜、意匠、封孔処理や特殊処理を組み合わせることにより、ハーダーマイト(硬質アルマイト)は様々な性能を発揮します。
また、材料~機械加工~ハーダーマイトの一括受託加工も可能です。
トータルな技術力で、目的、使用環境に応じた、お客様専用のハーダーマイトをアレンジします。
ハーダーマイト皮膜は、基本的に無色透明のため、ポーラス構造の孔を利用した染色によるカラー化に適しています。
高純度アルミニウム合金との組合せにより、優れた光輝性を発揮するため、金属の質感を生かしたメタリックカラーが可能です。
印刷手法による各パターン化も可能です。
与えられた各パターンは、ハーダーマイト皮膜中に取り込まれているため、溶剤等で拭いても色落ちしません。
一般的な焼き付け印刷と比較し、密着性ならびに耐スクラッチ性に優れています(HARDER MIGHT PIATORA:400Hv以上のプリント技術)。
今までは平面上のみにしか各パターンを製作できませんでしたが、特殊な手法により曲面まで可能になり、さらにデザイン性も向上しています。
最近では特殊レーザー彫刻、インクジェット印刷等により、各パターンの微細化やある角度のみパターンが認識可能になるなど、さらに研究開発が進んでいます。
ハーダーマイト(硬質アルマイト)は高硬度皮膜のため、皮膜最表面に研磨加工を施すことで、表面粗度・鏡面性が向上します。
研磨されることでさらに硬質化されている皮膜が表面化するためです。
それゆえ、高精度(寸法調整等)、初期摩耗安定・鏡面性向上(装飾性)等、ハーダーマイト+研磨加工は非常に有効です。
粗さ・粗度を持たせることも可能です。
当社の歴史の中で、腕時計の外装で培った極め細やかな粗さ管理技術を得ており、外観はもちろん、数値での表面粗度管理が可能です。4,000mm級の大型部品も対応可能ですので、ご相談下さい。
アルマイトは非晶質の酸化アルミニウム(Al2O3)からなり、これ自体は耐食性の良いものですが、多孔質なため孔をふさぐ処理が施されます。これを封孔処理といいます。
一般的に、アルマイトの封孔処理には、反応を促進するため、ニッケル等の金属塩が用いられますが、半導体・液晶製造における金属汚染や、金属アレルギー(肌あれ)等が問題とされています。
当社ではこれらに対応するため、染色には金属フリー、半導体製造装置には加圧蒸気封孔等、様々な封孔処理を用意しています。
ハーダーマイト皮膜の多孔質な構造を利用し、各種機能を付与します。(抗菌性・潤滑性・耐熱性・耐食性等)
使用例として海水中3年稼働も腐食されないハーダーマイト+特殊処理。優れた耐食性を発揮しました。
医療機器関係で実施される"滅菌処理"にも対応可能です。
また最近ではいろいろな用途から、目的(熱変化・耐摩耗等)により封孔処理を行わない場合もありますが、その吸湿性故に、外気との反応で性能を維持できない事があります。
このような"困った"に対応する特殊処理で、外気と反応しない様にコントロールする技術も備えています。
これにより、熱変化によるクラックも発生せず、未封孔でありながら耐食性を付与することも可能です。